7つの贈り物 SEVEN POUNDS(2008)

7つの贈り物/良き人の為かつ本人自らの意志なら神はきっと許して

映画「7つの贈り物」予告編

映画の概要

ギフトには色々なものがあります。

その中でも、このギフトは「死」と向き合いつつ
心を揺さぶる「ギフト」の一つである事は
間違いありません。

映画「7つの贈り物」は、ウィル・スミス主演の
感動的なヒューマンドラマです。

この世界には、生きたいと思っても
病のせいで長く生き続けられない人もいれば、
もうこれ以上生き続けたくないという人もいます。

自動車事故で妻を含む7人の命を
奪ってしまった男性が、自分の臓器や財産を
見ず知らずの7人に贈るという壮絶な計画を
実行する姿を描いています。

【あらすじ】
映画は、海辺の豪邸に住むベン・トーマス
(ウィル・スミス)が、国税庁のデータベース
から7人の候補者を選び、彼らに電話や訪問を
して人生を調べるシーンから始まります。

ベンは、自分が国税庁の調査員だと
偽りながら、彼らが自分の贈り物に相応しいか
どうかを判断していきます。

その中には、心臓病で余命わずかなエミリー
(ロザリオ・ドーソン)、盲目でピアノが好きな
エズラ(ウディ・ハレルソン)、夫から暴力を
受けるコニー(エルピディア・カリーロ)
などがいます。

やがて、ベンの過去が明らかになります。

彼は元々ティムという名前で
航空学エンジニアとして働いていましたが、
妻サラ(ロビン・リー)とドライブ中に
携帯電話に気を取られて事故を起こし、
サラと対向車に乗っていた6人の計7人の
命を奪ってしまったのです。

その罪悪感から、ティムは仕事を辞めて
弟のベン(マイケル・イーリー)に肺を
提供した後、自分も7人の命を救うために
自分の臓器や財産を贈るという計画を
立てたのです。

ティムは、児童福祉施設で働くホリー
(ジュディアン・エルダー)に肝臓、
ホッケーチームのコーチで腎臓病の
ジョージ(ビル・スミトロヴィッチ)に
腎臓、白血病の少年ニコラス
(クインティン・ケリー)に骨髄、コニー
に自宅、エズラに眼球を提供します。

そして最後にエミリーに心臓を提供するために、
自殺することを決意します。

しかし、ティムはエミリーと接触するうちに
恋心が芽生えてしまいます。

エミリーもティムに惹かれていきますが、
彼が本当は国税庁の調査員ではなく弟から
身分証明書を盗んだことや事故のことは
知りません。

ティムは親友のダン(バリー・ペッパー)に
自殺することを伝えて救急車を手配し、
毒クラゲで自ら脳死状態に陥ります。

ティムの心臓はエミリーに移植されて
一命を取り留めますが、彼女はダンから
全ての真実を聞かされます。

ティムが自分のために命を捨てたことに
ショックを受けるエミリーですが、
彼の遺志を尊重して生きることを
決めます。

エミリーは、ティムの目を受け取った
エズラに会いに行きます。

エズラは、ティムのおかげで光を取り戻し、
ピアノの教え子たちと幸せに暮らして
いました。

エミリーとエズラは、ティムへの感謝と
愛を胸に抱き合います。

【感想】
映画「7つの贈り物」は、人生の意味や価値、
愛や贖罪などのテーマを深く掘り下げた
作品です。

ウィル・スミスが演じるティムの苦悩や
決断は、観る者の心に強く訴えかけます。

彼が選んだ7人の候補者も、
それぞれに人間味や魅力があります。

特にエミリーとエズラは、ティムとの
関係が最も深く描かれており、彼らの
感情の変化や成長が感動的です。

ロザリオ・ドーソンとウディ・ハレルソンも
素晴らしい演技を見せています。

映画では、ティムの計画が明らかになるまで
に時間がかかりますが、それは彼の心理状態
や動機を徐々に理解させる効果があります。

また、過去と現在を行き来する
ストーリー展開も、ティムの過去のトラウマや
現在の行動の背景を浮かび上がらせます。

映画の終盤では、ティムの自殺とエミリーへの
心臓移植という衝撃的な展開が待っていますが、
それはティムの最大の贈り物であり、彼自身の
救済でもあります。

彼は自分の命を犠牲にしてでも、
エミリーを救いたいという強い愛情を示して
います。

しかし、それは同時に彼自身も
救われたいという願望でもあります。

彼は自分が起こした事故から
逃れることができなかったからです。

映画「7つの贈り物」は、
人間の生と死、罪と罰、愛と憎しみ
などの対極的な感情や価値観を
描き出した作品です。

ティムが7人に贈ったものは、
ただ物質的なものではなく、希望や
勇気や幸せなど精神的なものでも
ありました。

彼は自分だけでなく、7人も
救おうとしたのです。

その姿は悲しくも美しいものでした。

この映画は、観る者に自分自身や他者への
思いやりや感謝を考えさせる力があります。

良き人の為なら、他人の意志でなく自らの
意志で行われたものであるなら、

それは自己犠牲の精神に繋がり、神はきっと
許して下さるでしょう。

私はこの映画を見て、涙しました。

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