聖なる酔っ払いの伝説(1988)La leggenda del santo bevitore

聖なる酔っ払いの伝説/老紳士はホームレスの彼に200フランを渡し…返せる時が来たらある神父に渡すように言い残します…聖テレーズとは…?!

聖なる酔っぱらいの伝説

映画の概要

「聖なる酔っ払いの伝説」
家も失い、お金も失ったアンドレアスは、

今夜の寝床もなく、それを探すために

トボトボとパリ・セーヌ川のほとりを

あてもなく歩いていました。

希望もなくしかけていた彼の元に、
階段を降りて来て彼に話しかけて

来た身なりの立派な、いかにも

お金持ち風の老紳士に出会います。

不思議な老紳士でした。

その老紳士はアンドレアスに、

「あなたは今いくら必要なのですか?

私には、今余裕があるほどのお金が

あるから、必要な金額を言ってくれ」

と言うのです。

アンドレアスは、遠慮気味に少ない金額

20フランと老紳士に伝えます。

老紳士は、そんなわずかなお金では…

と言いながら、あなたは心ある人だと

いう事は私にもわかります。

と言いながらアンドレアスに200フラン

という大金を、受け取ろうとしない

アンドレアスのポケットに

押し付けるように渡すのでした。

そして、老紳士はアンドレアスに

「もしもあなたに余裕が出来て、

貸したお金を返せるようになり、

返したいと思うのならば、

聖テレーズ像のあるバティニョール教会に

行きそこにいる神父に、そのお金を

返してほしい」と言うのです。

そして、老紳士は自分の身に起きた

不思議な出来事をアンドレアスに

話します。

それは、聖テレーズの本を読んでから

自分に数々の奇跡が起きるようになった…

という内容でした。

そして、老紳士はその場を立ち去ります。

老紳士に起きた奇跡とは

一体何だったのでしょうか。

見ず知らずのホームレスに

「200フラン」もの大金を与えて、

「奇跡」という言葉を残し、

立ち去った老紳士。

それをきっかけに、ホームレスの

アンドレアスにも徐々に運が開けて

来ます。

イタリアとフランスの合作映画です

イタリア・フランス映画に特有な

淡々とした、ゆったりとした時の流れを

感じさせる映画です。

それなのに、芸術性がそこには存在し、

無駄な間の取り方ということを

感じさせないから不思議です。

映画の中に常に出て来る赤ワインの

存在は、イタリア・フランス人にとって

赤ワインは生活の中に欠かせない

お酒としてあるんだなあという

事が垣間見えます。

この映画を見ていると、

忙しく動く現代人からは想像の

出来ないような時間の流れを感じます。

聖テレーズの意味するものとは

何だったのでしょうか…?

そして、 彼に起きた最も大きな

奇跡とは何だったのでしょうか…!?

補 足

この映画を最後まで見て思った事が

あるので補足します。

単純な脳で生きている自分自身の

理解力の不足を感じました。

とても良い映画でした。

不思議な魅力をかもし出している

良い映画でした。

それなのに…正直に言いますと、

この映画が言わんとしていた事が

最後までわからなかったのです。

フランス映画は時に、深すぎて

普通の人の理解を超えている事が

ある…というのを以前言っていた

知人がいます。

少し変わった人が好むなどと

いうことを言っていました。

今回の映画はイタリア・フランスの合作映画と

いうのもあり、そこには何かの芸術的な

深いものがあるというのは感じます。

必ずしもすべての映画を人は

理解できないのかもしれません。

ですが、今回この映画を紹介したのは、

映画の中に流れる「時間」です。

淡々と流れる時間の中に何か…

「時」を超えたもの、「永遠」

というものを感じました。

あなたがもしもこの映画を見たなら…

何を作者は伝えたかったのか

おわかりになりましたでしょうか…。

私が唯一感じたものがあるとしたなら

「時」を超える「永遠」という何かでした。

上映時間 129分
製作国 イタリア・フランス
初公開年月 1990/01/26

出 演

アンドレアス:ルトガー・ハウアー、紳士:アンソニー・クエイル、ギャビー:サンドリーヌ・デュマ、ヴォイテク:ドミニク・ピノン、カロリーヌ:ソフィー・セガレン、ジャン=モーリス・シャネ、セシール・パオリ、ジョゼフ・デ・メディナ、フランコ・アルディギエーリ

監督 エルマンノ・オルミ
脚本 エルマンノ・オルミ、トゥリオ・ケツィク
原作 ヨーゼフ・ロート
制作 ロベルト・チクット、ヴィンチェンツォ・デ・レオ

受 賞

第45回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞、作品賞、監督賞(エルマンノ・オルミ)撮影賞(ダンテ・スピノッティ)、編集賞(エルマンノ・オルミ)ナストロ・ダルジェント賞、監督賞(エルマンノ・オルミ)、脚本賞(エルマンノ・オルミ、トゥリオ・ケツィク)

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