ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2020)

ラスト・ディール (2020)心に静かに染みいるフィンランドの優れた作品

映画『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』予告編

映画の概要

フィンランドの映画です。

フィンランドがどんな国なのか、隣国でもなく馴染みのない国でしたが、

この映画を通してフィンランドという国が、うかがい知れた気がして

心地良い気持ちになりました。

世界共通、どこの国でも悩みは共通のものがあるのかもしれません。

画廊を営む年老いた美術商オラヴィには、

あまり行き来のなかった一人娘とその息子である孫息子オットーが

いたのですが、日々、自身の画廊の仕事で頭がいっぱいの彼には、

たった一人の娘であるにもかかわらず、娘が離婚で悩んでいた時も、

あまり気をかける事が出来ないでいました。

そんな彼の元に、一人娘の息子オットーがやって来ます。

学校では何かと問題児のようで、数日間でも良いので

アルバイトで雇ってもらい、その評価を学校に

出さなければいけないとの事。

祖父であるオラヴィが雇ってくれるものとばかり

思っていたのですが…老画商にはそんな余裕は

ありません。孫をつっぱねてしまいます。

その後、娘が現れ、雇ってくれるよう懇願されます。

彼は渋々と雇うのですが、孫は自由奔放な性格で

ありながら、ビジネス的にも行動的にも優れている事に

オラヴィは徐々に気づいて行きます。

そんなある日、オラヴィは不思議な絵を見つけます。

それは男性の肖像画なのですが、彼はその絵に惹かれます。

誰の作品なのかサインもなく…詳細は不明でした。

ですが、彼は見抜いていました。

それが世紀の人を描いた著名な画家の作品ではないかと…。

ただ、その絵を手に入れたとしても、ビジネスに

ならないと意味がありません。

誰の作品かサインもない、その絵には

真贋力のない人にとっては価値がない絵としてしか

扱われていませんでした。

そして、オークションの日、絵の持ち主は

大した価格では売れないと思っていたので、

期待はしてない中、なぜか、それでも少しずつ

値が上がって行きます。

そして、最後にオラヴィはその絵を何と

資金もないのに1万ユーロで手に入れます。

1万ユーロと言えども、決して安い金額では

ありません。

日本円にすると、137万円です。

貧しい老画商にとっても大金です。

彼は、絵を手に入れる為、借金に奔走します。

娘に借金をお願いするも反対に責められてしまいます。

そして、ついには孫のオットーがコツコツ貯めていた

大学資金である貯金にも…。

でも、この孫は天才的なビジネス頭脳と

ずば抜けて前向きな人間性を持った子供でした。

もしも、その絵がレーピンの作品であるという証明を

見つけられないと二束三文となり、孫の大学資金も

消えてしまいます。

果たして、その絵が本物のレーピン作の絵であるという事を

証明できるのか…。

そして、世紀の人と言われる、その肖像画は誰を

描いたものだったのか、彼の真贋力は本物だったのか…。

なぜ、絵を描いた画家はサインを残さなかったのか…。

そして、ついに明かされる真実とは…?!

原題:Tumma Kristus

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