ダブル・ジョパティー(1999)

ダブル・ジョパティー/タイトル「二重処罰」によって守られるものとは…!?

ダブル・ジョパディー (日本語吹替版)

引用元:映画とテレビ

映画の概要

この映画はシドニーシェルダンの「明日があるなら」を
彷彿とさせる作品でした

『ダブル・ジョパディー』は、アメリカ合衆国憲法修正第5条
に定められた「二重処罰の禁止(Double Jeopardy)」を
物語の核に据えたサスペンス・スリラーです。

この法律概念は、同一の犯罪について二度裁かれないという
原則であり、映画はこの原則を大胆にドラマへ転化し、
主人公の行動原理として物語全体を駆動させています。

単なる復讐劇ではなく、法制度の盲点を物語的装置として
活用した点が本作の大きな特徴です。

物語の中心にいるのは、アシュレイ・ジャッド演じるリビー。
彼女は「普通の主婦」という設定から一転、夫殺しの罪で
投獄されるという極端な状況に置かれます。

ここで本作は、冤罪によって人生を奪われた女性が、
刑務所という閉ざされた環境でどのように変化し、強さを
獲得していくかを丁寧に描いています。

刑務所内での人間関係や、仲間から得る知識が後の展開に
大きく影響する点は、サスペンスでありながら成長物語の
側面も持っています。

本作のもう一つの軸は、トミー・リー・ジョーンズ演じる
保護観察官トラヴィス・レーマンの存在です。

彼はリビーの仮出所後の行動を監視する立場にありながら、
次第に彼女の真相追及に巻き込まれていきます。

レーマンは典型的な「堅物の監視者」から、徐々にリビーの
事情を理解し、複雑な感情を抱く人物へと変化していきます。

彼の存在は、リビーの復讐劇が単なる暴走ではなく社会的な
枠組みの中でどう扱われるべきかという視点を観客に与えます。

映画の構造は、冤罪発覚から復讐へと向かう直線的な
サスペンスでありながら、ロードムービー的な移動と追跡の
要素も含んでいます。

リビーは夫の行方を追う中で、さまざまな土地を移動し、
そこで新たな情報や人物と出会います。

これにより、物語は閉塞した刑務所ドラマから、広がりのある
逃走劇へと転換します。

テンポの良さと緊張感の持続は、この構造によって支えられて
おり、また、本作は「家族」というテーマを強く扱っています。

リビーの行動の根底には、夫への復讐だけでなく、
息子マティを取り戻すという強い母性があり、この動機が
あることで、彼女の行動は単なる暴力的な報復ではなく、
観客が共感しやすい「奪われたものを取り戻す戦い」として
描かれています。

母親としての愛情と、裏切られた妻としての怒りが複雑に
絡み合い、リビーというキャラクターに深みを与えており、映画の
魅力の一つは、アシュレイ・ジャッドの演技にもあります。

彼女は被害者としての弱さと、復讐者としての強さを両立させ、
観客を物語に引き込みます。

トミー・リー・ジョーンズとの掛け合いは、緊張感とユーモアが
絶妙に混ざり、作品にリズムを生み出し二人の関係性は、敵対から
協力へと変化する典型的なバディムービー的構造を持ち、サスペンスで
ありながらエンターテインメント性を高めています。

さらに、映画は「法律の抜け穴」をテーマにしつつも、法的な
正確性よりもドラマ性を優先しおり、実際の法制度では本作の
ような解釈は成立しないのですが、映画はその大胆な設定を観客に
納得させるだけの説得力と勢いを持ちます。

これは脚本の巧みさと、監督ブルース・ベレスフォードの演出に
よるところが大きいと言えるのではないでしょうか。

総じて『ダブル・ジョパディー』は、冤罪、裏切り、復讐、母性、
そして法制度という複数のテーマを、エンターテインメントとして
高いレベルで融合させた作品で、サスペンスとしての緊張感と、
主人公の成長物語としての感情的な深みが共存し、1999年の作品で
ありながら今なお語られる魅力を持っています。

法律を題材にしながらも難解さはなく、観客が感情移入しやすい構造と
テンポの良さが際立つ一本でした。

トミー・リー・ジョーンズの少し若い頃の魅力が十分感じられる作品で
おススメの一本です。

キャスト

  • リビー・パーソンズ(Libby Parsons)→
    アシュレイ・ジャッド(Ashley Judd)
  • トラヴィス・レーマン(Travis Lehman)
    → トミー・リー・ジョーンズ(Tommy Lee Jones)
  • ニック・パーソンズ(Nick Parsons)
    → ブルース・グリーンウッド(Bruce Greenwood)
  • アンジー(Angie Green)
    → アナベス・ギッシュ(Annabeth Gish)
  • マティ・パーソンズ(Matty Parsons / Age 4)
    → ベンジャミン・ウェアー(Benjamin Weir)
  • ボビー(Bobby Long)
    → ジェイ・ブレゾー(Jay Brazeau)
  • マーガレット・スコロウスキ(Margaret Skolowski)
    → ローマ・マフィア(Roma Maffia)
  • エヴリン(Evelyn)
    → ダヴェニア・マクファデン(Davenia McFadden)
  • レベッカ・ティングリー(Rebecca Tingely)
    → ギリアン・バーバー(Gillian Barber)
  • カッター(Cutter)
    → マイケル・ガストン(Michael Gaston

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