おくりびと(2008)

おくりびと/Departures

おくりびと Departures/海外の人にとても高評価だった日本の映画! 泣けるけど笑えるシーンも満載! (-人-)

「おくりびと」 予告編

映画の概要

「おくりびと」 死は次につながる門である

日本の納棺の正式な儀式が

これほど死者と遺族に対しての尊厳を

大切に行われる儀式であったのかと、

驚きと感動の連続の映画でした。

通常ではほとんど見る機会がない納棺の儀式

死者に対しての最後の死に水と化粧。

死を通して、新たな門をくぐり

次なる未知の世界に出発する者に対しての、

礼節と見送りの儀式とでも言うのでしょうか、

日本国内のみならず、世界の人々にも

感動を巻き起こした映画です。

それは、海外からの賞の数々が

示している事でわかります。

主人公が、父親の勧めで幼い頃から

練習を始めたチェロ。

そのチェロ奏者である小林大悟(本木雅弘)は、

念願のオーケストラに入りプロになった

のも束の間、すぐにオーケストラは

解散になり職を失ってしまう。

妻・美香(広末涼子)と共に、亡き母親が

残した実家で、第二の人生を生きるべく

山形へ帰省する。

新たな職探しで見つけたのは

「旅のお手伝い」の求人広告。

旅行代理店かと思いきや、

そこはご遺体を納棺する納棺師

仕事でした。

母親は、海外演奏旅行中に他界して

おり、父親は愛人を作って、

大悟が6歳の時に家を

出て行ってそれっきりでした。

母親は苦労して女手一つで育てて

くれたのです。

そんな中、納棺師として、最初は

紆余曲折もあり途中辞める事も

考えたのですが次第に奥の深い尊厳の

ある仕事であると大悟は、誇りを

持つようになります。

故郷の山形では元チェロ奏者であった彼が、

遺体を扱う納棺師として同級生仲間にも

知れ渡るようになり、親しくしていた

友人からは「もっとましな仕事を見つけろよ」

と一括されてしまいます。

それほど日本ではまだまだ知られていない、

遺体を扱うという点で、イメージ的に

良くないのでしょうか。

特に田舎においてはそれが

顕著であるのかもしれません。

妻にも最初は隠して始めた仕事で

あったのですが、そうこうして

いるうちにバレてしまい、

妻の理解もなかなか得られない

状態でした。

大悟は自分を捨てた父親、6歳で

自分は捨てられた子供という思いが

心の片隅にいつもあり、父親の

顔さえも思い出せないでいた。

そんな中、彼の職業に対する偏見から

家を出て行った妻が妊娠を機に

山形に戻って来る。

そして自分を一括した親友、その

親友の母親の死。

その納棺を大悟が行なうこととなる。

人々の無知から来る未理解が

徐々に溶けて来る心境の変化。

クライマックスは音信不通で

あった父親に関しての連絡が

驚愕な形で入って来る。

6歳の時以来、会う事のなかった父親。

自分を捨てた父親。

そんな父親との再会はどのような

形になるのか。

また、子供を捨てる父親のイメージは

相当悪いのですが、やはり最低の

父親だったのでしょうか。

この映画から感じられるのは、

死者に対しての尊厳と敬意です。

そしてその儀式を見た遺族たちの

納棺師に対する感謝です。

知りえなかった儀式を垣間見て、

日本人なら理解もできる部分が、

海外でも大いに評価されたのです。

お堅いだけの儀式の映画かと思いきや、

笑いあり、涙あり、音楽あり、

そしてすばらしい山形の大自然ありでした。

山形の壮大な風景の中に溶け込む白鳥や、

雪景色、桜の花びらの舞う風景、

それを見ているとその地に観光に

行きたくなってしまうから不思議です。

その大自然の中で奏でるチェロの

響きは、人々の心をしばし遠い望郷の

念に追いやってしまいます。

日本だけでなく世界中から賞を

いただけるのもうなづけます。

実に素晴らしい作品でした。

私はこの映画を、最初は知らないで

いたのですが、良い映画があると

私に勧めて来たのは何と、日本人では

なく友人の外国人でした。

日本人である自分よりも先に

この映画の素晴らしさを

感じていたのかと思うと

感激でした。

山形にはまだ行った事がないの

ですが、この映画を見て、いつか

時間を作って行ってみたいと

思うようになりました。

私の知らない山形を存分に

味わってみたい気分です。

そう考えると映画の力って

すごいですね。

山形の事は何も知らないのですが、

そこの名産や景勝地、あらゆる所に

行ってみたく思うように

なりました。

映画に出ている俳優さん達の演技、

主役の本木雅弘はもちろん、

広末涼子、山崎努、事務員のお姉様、

皆さんの演技がどれも素晴らしく

見ていてすがすがしさを感じさせる

映画でした。

英題:Departures
製作国:日本
製作年:2008年
日本初公開日:2008年9月13日
上映時間 130分

出 演

本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史、杉本哲太、峰岸徹、山田辰夫、橘ユキコ、橘ゆかり、朱源実、石田太郎、小柳友貴美、岸博之、宮田早苗、大谷亮介、星野光代、諏訪太朗、奥田達士、内田琳、鈴木良一、ト字たかお、藤あけみ、山中敦史、樋渡真司、白井小百合、坂元貞美、大橋亘、飯森範親

監督: 滝田洋二郎
製作: 信国一朗
脚本: 小山薫堂

日本

第32回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・撮影賞・照明賞・録音賞・編集賞

第51回ブルーリボン賞 主演男優賞

第63回毎日映画コンクール 日本映画大賞・録音賞

第33回報知映画賞 作品賞

第21回日刊スポーツ映画大賞 監督賞・作品賞

第30回ヨコハマ映画祭 作品賞・監督賞・助演女優賞・ベスト10第1位

第82回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベストワン・主演男優賞・日本映画脚本賞・日本映画監督賞

第18回東京スポーツ映画大賞 主演男優賞・助演男優賞

2008予告篇ZEN映画祭 グランプリ

映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第3位

新藤兼人賞 SARVH賞2008・年間最優秀プロデューサー賞

海外

第81回アカデミー賞 外国語映画賞

第32回モントリオール世界映画祭 グランプリ

第17回金鶏百花映画祭 国際映画部門 作品賞・監督賞・主演男優賞

第28回ルイ・ヴィトン・ハワイ国際映画祭 観客賞

第20回パームスプリングス国際映画祭 観客賞

第3回アジア・フィルム・アワード 主演男優賞

第29回香港電影金像奨 最佳亞洲電影

おくりびと

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